安心と耐久性

鉄筋工事とは、建物や橋、トンネルなどの構造物を建設する際に、コンクリートを流し込む前の骨組みを作る作業のことを指します。
鉄筋は、コンクリートの強度を補強するために使用される重要な材料であり、鉄筋工事はその設置と固定を行います。

鉄筋工事は、建物全体の安全性と耐久性を確保するために欠かせない工程です。
建物全体の重さを支える部分に適切に鉄筋を配置することで、建物の強度を高めることができます。
鉄筋がなければ、コンクリートの基礎はひび割れや破損のリスクが高くなり、建物全体の安全性が損なわれます。
また、鉄筋工事により、建物の各部分が一体となり、地震や風などの外力に対しても高い耐久性を発揮することができます。

加工帳や施工図の作成

鉄筋工事は、まず図面から使用する鉄筋の種類と数量を読み出し、そこから鉄筋材の切断、曲げ加工を行います。
実際に組み立てるときに鉄筋が足りないということを防ぐため、正確に数量を求めることが必要とされます。
また、鉄筋をどのように加工するかを決めたり、鉄筋の取り付け方が記された加工図を作成します。
事務的な作業ですが、建物の安全性をささえる大切な仕事です。

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鉄筋の加工

加工帳と施工図ができたら、そのまま工事現場に移るのではなく、必要に応じて鉄筋を切ったり曲げたりといった加工を行う必要があります。
加工場では加工帳をもとに、専門の機器を使って鉄筋を正確な長さ・形に切ったり曲げたり加工します。
加工が終わったら、クレーンを使ってトラックに運び込み工事現場へと運搬します。

Reinforcing Steel Bar closeup, Rebar for concrete construction work

配筋

鉄筋の組立作業は、大きく配筋・嵌合・結束の三つの工程に分けられます。
配筋とは、鉄筋の配置作業です。
施工図の内容を踏まえて、運ばれてきた鉄筋を正確な場所に配置していきます。
種類によって配置する順序が違うこともあり、間違えると必要な鉄筋が入らなくなったり、建物の強度に影響が出てしまうので、注意が必要な作業です。
また、鉄筋が地面に対して平行・垂直になっているかも確認しながら行います。

The rebar is bonded with steel wire for use as a construction infrastructure. Which part of the rebar has rusted due to chemical reactions.

嵌合(かんごう)

嵌合とは、配筋した鉄筋同士をつなぎ合わせて長くする工程です。
具体的にはガス圧接継手や溶接継手、機械式継手等といった方法を使って鉄筋を接合していきます。
この作業も、配置場所によっては異なる方法を用いることがあります。
嵌合がうまくいかないと、建物の強度・寿命を損ねる場合があるため、職人には施工図に従って、正確で素早い施工が求められます。

A worker welds rebar for a building project

結束

最後に、鉄筋同士をまとめる結束作業を行います。ハッカーという道具を使って、結束線とよばれる鉄線で鉄筋同士をつなぎ合わせていきます。この作業を行うことで、コンクリートを流し込むときに鉄筋がずれてしまうことを防ぐことができます。
鉄筋同士のつなぎの強さは建物の強度に直結するため、しっかりと結束していくことが大切です。コンクリート面に露出してしまうとそこから錆びる可能性があるため、結束したあと、結束線は外に出ないよう曲げこみます。

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